世界の主な葡萄品種について |
カベルネソーヴィニヨン(赤) |
最高級赤ワイン用黒葡萄。ワインは深い色調を呈ししっかりした果
実香を持ちボディがありタンニンと酸が多い。成熟するにつれて濃
密で調和のとれた複雑微妙なワインになる。カベルネ・フラン、メル
ローなどとブレンドされる事が多い。 |
カベルネフラン(赤) |
カベルネ・ソーヴィニヨンの芽条変異でより涼しく多湿の条件下に
向く品種 |
ガメー(赤) |
やや大粒の豊産性品種でフルーティな味と香に豊んでおり軽くて
爽やかな赤ワインになる。 |
グルナッシュ(赤) |
地中海沿岸地方の赤ロゼワイン用葡萄。原産はスペインの古い品
種。葡萄はしっかりとして健康。房は大きく円筒形、果粒は小さく
密着形。ワインの色は薄くアルコール分が高い。果実香に富むワ
インが出来る。他の品種とブレンドされる。 |
ゲヴェルツトラミナー(白) |
名の通り(ゲヴェルツ=薬味、香料)強い薬草やマスカット系の香
りがあり、一度味わったら忘れられない味で柔らかくフルボディー
でコクがあるワインになる。 |
シャルドネ(白) |
糖分が多く美味な果汁をたっぷりと含む小粒の葡萄。日当たりの
良い石灰岩土壌に良く生育する。
独特のアロマの腰が強く酸味とコクが豊かで切れ味が良く優雅な
余韻を持つ最高級白ワインとなる。 |
シュナン・ブラン(白) |
辛口からやや甘口のソフトな香りとフレッシュな酸の飲みやすいワ
インとなる。スパークリングワインにも良い。カリフォルニア、南アフ
リカなどでも多く栽培されている |
シラー(赤) |
色素が優れ葡萄がよければ数十年間の貯蔵後威厳ある赤ワイン
に成熟する。エルミタージュはこの葡萄で作られアルコール分が
高くしっかりしたボディーの長期熟成するワインとなる。 |
シルヴァーナー(白) |
豊産性で耐寒性もあり、作りやすくドイツの日常ワイン用品種。リ
ースリングと比べると香りは少なく酸味はしっかりしているが個性
は乏しい。但しフランケン地方の土壌ではワインに独特の風味とボ
ディーがあり有名。 早熟性と豊産性の長所があるため、交配の
親として用いられ多くの新品種を生み出している。 |
セミヨン(白) |
厚みのあるワインとなるが酸味に乏しくソーヴィニヨン・ブランとブレ
ンドされ優秀なワインとなる。この貴腐ワインあまりに有名である。 |
ソーヴィニヨン・ブラン(白) |
セミヨンと相性がよくブレンドされる事が多い。地方によっては貴腐
ワインに使用される。独特なハーブのような香りやスパイスのよう
な香りがあり辛口のすっきりした白ワインとなる。 |
ピノ・ノワール(赤) |
コート・ドール地区の最高級品種。日当たりの良い石灰岩性褐色
土壌の丘に優秀な畑が連なる。ワインはカベルネより明るい透明
な紫紅色で独特の華やかなアロマとブーケを持っている。コクがあ
りタンニンはボルドーほどには強くないが、繊細、芳醇でビロードの
ような喉越しの良さがある。
シャンパーニュ地方では石灰岩土壌でも栽培され高品質のシャン
パンが生産される
|
ピノ・ブラン(白) |
ピノ・グリの芽条変異種でピノ・グリはピノノワールの芽条変異で色
が薄くなった品種。アルコール度の高いまろやかなワインになるが
シャルドネよりは弱い。 |
マスカットベリー(赤) |
日本の主要赤ワイン用黒葡萄で欧米雑種。大房大粒豊産で樹は
強健。生食醸造兼用種。ワインは色調濃く渋味も有るがヨーロッパ
程の高貴な香はない。 |
ミュスカデ(白) |
軽くてフルーティー、清澄で繊細な日常ワインになる。 もともとはブルゴーニュ産でムロン・ド・ブルゴーニュという品種。 |
ミュラー・トゥルガウー(白) |
1882年、ミュラートゥルガウ博士がリースリングとシルバーナーを交配して作った白ワイン用品種とされてきた、最近の研究ではリースリングとグートエーデルの交配であるとされている。 粒も大きく豊産。早熟でドイツで生産高トップの品種になった。リースリングと比べるとその特徴が弱められワインの品質はやや平凡である。 |
メルロー(赤) |
早熟成でカベルネ・ソーヴィニヨンが砂礫土を好むのに対して粘土質に適している。メルローはワインに丸みと風味を与えカベルネよりも早くワインとして熟成する。 |
リースリング(白) |
ドイツを代表する白ワイン用高級葡萄。小粒で晩熟。石灰岩質や粘土質等の土壌に適している。ワインにすると独特の軽やかな香りとフルーティで新鮮な味わい。爽やかな酸味とすっきりした切れ味などバランスの良いワインとなる。 産地や造り方によって薄い麦藁色から黄金色まで、味は辛口から甘口まで様々なワインになり、しかもどのタイプも超一級品になり得るのがこの品種の優れた適応力である。世界各国、各地方でも栽培されている。 |
ワインのテスティング基本用語 |
外観に関する用語 |
てり |
ワインの清澄さとつやの事。良質のワインほど清澄度が高く光沢がありきらきらとした輝きがある。 |
混濁 |
微生物やたんぱく質によって生じる事が多い。微生物が増殖するとビンのそこに沈殿したりする。 |
結晶 |
赤ワインには酒石に赤色色素が付着したり白ワインには酒石が付着したりするものが主流であるが人体には無害である。 |
泡 |
スティルワインにおいて泡立ちを認めたものは「再発酵している」等と表現し、スパークリングワインでは泡の細かさや持続性を見たまま表現する。 |
異物混入 |
「****が入っている」「****が混入している」等と見たまま表現する。 |
香りニオイに関する用語 |
アロマ |
原料葡萄からくる香りを言う。
醸造工程を経てワインに現れる原料葡萄の特性香ともいう。 |
アロマティック |
コンコードやマスコット系の葡萄で醸造したワインに認知される原料葡萄の香りそのものをいう。 |
亜硫酸臭 |
酸化防止剤として用いた亜硫酸がワイン中の色素や酵母の生成物と結合せず、遊離の状態で存在する時に感じるツンとする刺激臭の事をいう。 |
硫黄臭 |
卵の腐ったような硫化水素臭等硫黄系化合物の不快な臭いの事をいう。 |
カビ臭 |
カビで汚れた樽などの木製容器から移る臭いとされている。 コルク臭にも同系の臭いを認めることがある。 |
カラメル臭 |
一般のワインでは高温で貯蔵、保管されたものとしてマイナス評価されるがポート等では評価対象とされる。 |
木香(きが) |
新樽で貯蔵されたワインによく感知される。木製容器や器具から移った臭いで香りとは違う。生の木の臭いに近い。 |
茎臭 |
果醪のとき果梗との接触期間が長い時に生じるという説もあるが圧搾過多の時に果梗から浸出する場合が多い。 |
酵母臭 |
主発酵終了後に滓引きが遅れたもの、瓶内で再発酵したワインに認められる。酵母の自己消化臭。酵母製剤の臭いと共通である。 |
狐臭 |
米国原産種のヴィティスラブラスカを原料としたワインの香り。 弧そのものの臭いとは違う。 |
コルク臭 |
コルクそのものの臭いではなくコルクが微生物に汚染されて生じる臭いである。カビ臭とは微妙にちがい、ちょうど生乾きの雑巾を放置した際に生じる臭いに似ている。 |
酸化臭 |
ワインが酸素によって酸化されその結果生じた不快な臭いをいう。ただしシェリーでは不可欠の香りである。 |
酸臭 |
酢の匂いと同じで酢酸やプロピオン酸等の低沸点の有機酸の刺激臭をいう。 |
刺激臭 |
鼻を刺す鋭い臭いをいう。亜硫酸臭、酸臭等を総称して使う言葉。 |
樹脂香 |
松やにを添付したワイン、或いは松やに臭のする容器に充填したワインが持つ香りをいう。 ギリシャのワインによく見られる。 |
ゼラニューム臭 |
酵母の増殖による再発酵を防止するためにワインに添加されたソルビン酸が乳酸菌によって分解された時に生じる不快臭をいう。誉め言葉と誤解される事が多い。 |
樽香 |
高級ワインには不可欠な香りである。樽材の産地や製樽業者により微妙にワインの風味が異なる。 |
バター臭 |
発酵バターの匂いをいう。マロラクティック発酵の副産物であるジアセチルの臭いである。含有量が1.5ppm以下は赤ワインの香りを豊かにするが2ppm以上では不快臭と感じられる。 |
ハーブ臭 |
胡淑、白壇、クローブ、肉柱等のハーブ用の香りを言う。ゲヴェルツトラミナー種のワインに感じられる薬草様の香りが典型。 |
変敗集臭 |
細菌汚染により腐敗した果醪の不快臭を言う。酢酸、乳酸、銘酸等の有機酸およびそのエステル、ジアセチル等の混合臭をいう。亜硫酸無使用で醸造したワインに感じることがある。 |
マディラ臭 |
マディラ特有の加熱熟成香をいう。 |
未熟臭 |
未熟な葡萄果実を原料としたワインの臭いを言う。葡萄品種特性が不明確であり評価は悪い。 |
金気臭 |
錆びたり鉄が剥き出しになっている醸造機器を用いてワインを醸造するとワイン鉄などの金属が溶解し金気臭を帯びる。 |
粗い |
渋みなど未熟なワインの味を言う。 |
辛口 |
発酵が完全に進行し残糖分のないワインをいう。辛口、甘口は酸度と糖分のバランスに加えて、アルコール分の多寡も影響する。 |
切れ味 |
酒石酸とリンゴ酸の適量が、ワインの切れ味を形成する。 飲んだあとは口中の余計な味を残さず、爽やかな余韻がある。 |
鋭い |
酸味の強いワインが舌へ与える影響をいう。 |
単調 |
酸味がすくないため、味に張りがない状態をいう。 |
バランスの良い |
甘、辛、酸、苦、渋のバランスが良い状態をいう。成分的にはアルコール分、酸度、糖分、タンニン等の渋味物質含量の調和が取れているワインである。 |
水っぽい |
エキス分の少ないワイン。アルコール分、酸度、糖分の低いワインでで感知される。 収穫期に降雨量が多いと生成酒が水っぽくなる恐れがある。 |
評価用語 以下に示す評価用語は曖昧で観念的であるために人によっては異なった意味で使用される事が多い。 |
偉大 |
品質が優れている意味で使用される事が多い。 |
エレガント |
「上品な」と同義語で、基準となるワインがどのようなものであるかが定かではない。 |
円熟 |
熟成に伴いワインの風味が柔らかくなりあたりも滑らかになった状態をいう。 |
きれい |
原料葡萄が良質で微生物学的にも清潔な醸造が行われた香味に欠点のない状態をいう。 |
血統の良い |
気候風土並びに土壌からみたブドウ畑の位置、原料葡萄品種、醸造技術等ワインを取り巻く環境がすぐれ、全体の評価の高い個性のあるワインについていう。 |
高貴 |
ワイン醸造を取り巻く環境と生成酒の品質のよさを褒めた言葉。 |
個性的 |
特徴のあるワインを一言で評価する時に用いる事が多い。 原料葡萄品種、産地、醸造場、醸造法、醸造年度等が明確に表現されているときに用いる。 |
性格の不鮮明 |
特に欠点もない、優れているところもないワインに用いる。 |
繊細 |
香味ともにきめ細かく、酒質の優れた淡麗型のワインをいう。 |
バランス |
「香味のバランスがよい」という使い方が用いられる。 |
ファイン |
「良質の」「酒質の良い」という意味で、ワインの酒質評価の際、とてもよく使われる言葉である。 |
フィネス |
優雅で繊細な血統の良い最高級の酒質のワインに対する褒め言葉である。 |
平凡 |
「並みの」「よくも悪くもない」等の個性も長所もないワインは評価が低い。
これらの語句は高級酒では悪評価な言葉として用いられる。 |
ワインらしい |
品種産地等の特性は少ないが、葡萄を原料とした酒類の特徴は有するという意味である。 |